社殿前に「空海の逆さ公孫樹」と呼ばれる周囲約6メートルものイチョウの木は、弘仁中期(810~823)諸国行脚で松崎神社に立ち寄った旅僧が道中たずさえてきたイチョウの杖を上下逆さまに地中に挿し、「後世まで繁盛せよ」と念じて立ち去り、数日後に芽が吹き出し根を張ったという伝説が残っています。この旅僧こそが高僧として名高い空海だと伝え聞いた村人たちは、「空海の逆さ公孫樹」と名づけ大切にしたということです。
神社の裏には前方後円墳、北条塚古墳が東西に横たわっています。栗山川流域の台地には数多くの古墳が点在していますが、その中でも柏熊古墳と並ぶ大型の代表的な古墳です。主軸の長さは約70メートル、前方部の幅45メートル、高さ5.5メートル、後円部の直径約37メートル、高さ6.5メートルで、約1300 年前の古墳時代後期(6~7世紀)の築造年代と推定されています。
北条塚に埋葬されたのはどんな豪族であるかは不明ですが、古墳の周囲からは形象埴輪の靱(ゆき。矢を入れて背負う器)と思われる破片が埋蔵品として出土しています。
業多古町の生業
働き方が注目される昨今、様々な分野の「生業」を通して多古町をご紹介します。